近視抑制治療について
近年全世界で子供たちの近視が急速に増え、社会問題となっております。
原因としてはコロナの影響もあり、子供たちが外で遊ぶ機会が減り、スマホ・iPadなどの使用時間の増加が影響していると言われています。
世界的にさまざまな近視の進行予防方法が検討されているなかで、日本における近視の進行抑制を謳う治療法には、明確なエビデンスやコンセンサスが得られていない治療法が多くあります。
近視進行予防治療やサプリなどが販売されておりますが、現時点で有効性と安全性が十分なデータによって示されている治療法は限られています。目の運動やストレッチにより近視の進行を抑制できるというエビデンスはありません。
以下に有効性・安全性が示されている治療についてご説明します。
多焦点ソフトコンタクトレンズについて
多焦点ソフトコンタクトレンズは、一般的に遠用の球面度数に近用の加入度数が付加された老視矯正のための遠近両用コンタクトレンズとして知られております。
また、使い捨てコンタクトに代表されるように、衛生面での管理が比較的容易なことから、国によっては、子どもの近視進行抑制のために使用される頻度は、低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーを凌いでおります。
しかし日中に装用するため、ゴミが入った時などに、自分で取り外すといった自己管理が可能な年齢になるまでは、使用できないため、比較的年齢が高い小児が対象となります。

オルソケラトロジーレンズ
睡眠中にしっかり近視矯正
日中は裸眼でくっきり視界
オルソケラトロジーレンズ
「メニコンオルソ-K」

レンズデザイン
- レンズの内側にカーブを施した特殊なデザイン。
- レンズの中心部がフラットになっており、この部分で角膜の形状を少し平らにして、近視を矯正します。
- レンズはひとりひとりの角膜の形状や近視の程度に合わせてオーダーメイドします。
治療の流れ
オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度合いや眼の健康状態を調べます。検査で問題なければ、院内のトライアルレンズを装用していただきます。
個々の患者様の眼の状態に合わせた専用レンズを装用します。
お試し装用に満足し、このまま治療を継続する場合は、追加費用の支払いが必要です。
治療を継続している間は、3か月ごとに定期検査の受診が必要です。
※治療を継続しない場合は、専用レンズを返却していただく必要があります。
※治療の継続を希望しても、眼の健康状態などにより、治療を続けられない場合もあります。
- 本治療中に、眼科医が必要と判断した場合は、その疾患に対する眼科的治療を受けてください。その際、費用は別途かかります。
- 医療費控除の申請が可能です。当院から発行した領収書は大切に保管してください。